ボーイング社の新型宇宙船「スターライナー」の帰還

スポンサーリンク
科学・テクノロジー
この記事は約3分で読めます。
スポンサーリンク

初の有人試験飛行で試練を迎える

2024年8月、ボーイング社の宇宙船「スターライナー」が初の有人試験飛行を行い、2人の宇宙飛行士を乗せて国際宇宙ステーション(ISS)に到着しました。しかし、飛行中にエンジンのヘリウム漏れや5基のエンジン故障が判明し、ISSへの到着が予定より1時間以上遅れる事態に。NASAは当初予定していた飛行士の地球帰還を見送り、別の民間宇宙船での帰還を検討し始めました。

ISSへの到着後も続く課題

スターライナーは2024年6月5日に打ち上げられ、7日にISSとドッキング。しかし、トラブルの根本原因が未解明のまま、安全性への懸念が残っており、NASAは慎重な姿勢を示しています。2人の飛行士の地球帰還は、来年2月にスペースX社の「クルードラゴン」9号機で行われる可能性が高まっています。

無人で地球に帰還

2024年9月、スターライナーはISSから無人で出発し、アメリカニューメキシコ州に無事着地しました。当初、2人の飛行士を乗せて帰還する計画でしたが、推進装置の問題により無人での帰還となりました。NASAとボーイングは、今回のデータをもとにトラブルの原因を究明し、来年予定されている本格運用に向けてさらなる検証を進めるとしています。

これまでの道のりと今後の展望

スターライナーは2019年の無人試験飛行以来、複数の技術的問題に直面してきましたが、2022年5月にISSへの無人到達を果たしました。今回の有人試験飛行では、さらに進化を遂げたものの、トラブルが発生したことで本格運用の開始が遅れる可能性があります。NASAは引き続き、クルードラゴンとスターライナーの2つの宇宙船によるISSへの飛行士輸送を目指しており、スターライナーの改善に向けた取り組みが注目されています。

今後もボーイング社とNASAの協力のもと、安全で安定した宇宙飛行が実現されることが期待されています。

 

用語

・ボーイング社

シカゴに本社を持つ世界最大の航空宇宙機器開発、製造企業。

1997年にマクドネル・ダグラスを買収し、アメリカ唯一の大型旅客機製造業者となった。

エアバスと共に世界市場を二分し、旅客機、軍用機、宇宙機器の研究、設計、製造を行い、有限要素法を用いた設計手法の先駆者。

・ISS

国際宇宙ステーション。

International Space Stationの略称。

NASA、ロスコスモス、JAXA、ESA、CSAの5つの宇宙機関が共同で運営する低軌道のモジュール型宇宙ステーション。

所有権と利用は条約で規定され、微小重力環境での科学研究や、月や火星への長期ミッションに向けた宇宙船システムの試験に適している。

 

・NASA

アメリカ航空宇宙局。

National Aeronautics and Space Administrationの略称。

NASAは1958年に設立されたアメリカの宇宙開発機関で、アポロ計画やスペースシャトルの実現を推進してきた。

現在は国際宇宙ステーションの運用支援やオリオン宇宙船、商業乗員輸送の開発を行い、宇宙探査や地球調査も重要な任務としている。

2006年には「宇宙空間の開拓、科学的発見、最新鋭機の開発において常に先駆者であれ」という目標が発表された。

 

 

画像はボーイングジャパンより引用

コメント

タイトルとURLをコピーしました