増加するクマの日本の環境と対策

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自然環境
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最近、クマの出没が全国で増えているのをご存知ですか? ニュースでよく見かけるし、遠い話のことじゃないなと感じる方も多いかもしれません。2023年には、8月末までに58件の人身被害が報告されていて、2人が亡くなっています。特に東北地方では、クマの目撃が増えているみたいです。この状況を見て、私たちはどう向き合っていけばいいのか、少し考えてみたいと思います。

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ヒグマとツキノワグマ、2種類のクマ

まず、日本にいるクマにはヒグマとツキノワグマの2種類がいます。ヒグマは北海道に生息していて、体長2メートル、体重はなんと250キロにもなる大型のクマです。見た目の印象通り、攻撃的だと思われがちですが、実は主に木の実や昆虫を食べています。彼らも本当は人間が怖いんです。

一方、ツキノワグマは本州以南に生息しています。ヒグマより小さく、体長は1.5メートルほど。ツキノワグマは普段は植物や昆虫を食べるのですが、最近ではシカやイノシシの肉を覚えてしまい、少し肉食化が進んでいるのが気になるところです。食べ物がないとき、人里に降りてくることが増え、その結果、私たちと出くわしてしまうことがあるんですね。

クマが人里に現れる理由

では、どうしてクマが頻繁に私たちの生活圏に出没するのでしょうか? その一つの理由は、山での食べ物不足です。木の実が少ない年には、クマは食料を求めて山を降りてくるしかなくなります。特に北海道では、エゾシカが増えてしまい、クマの食べ物である木の実を食べ尽くしてしまうため、クマはやむを得ず人間の生活圏に近づいてきているのです。

また、過疎化や農村部の縮小も原因の一つです。昔は人が手を入れていた山や森が放置され、クマが容易に人里に降りやすい環境になってしまっているんですね。

クマに遭遇したらどうする?

「もしクマに出くわしたらどうすればいいんだろう?」と心配になる方も多いと思います。大切なのは、冷静に行動すること。驚いて走って逃げてしまうと、クマは本能的に追いかけてくる可能性があります。なるべくゆっくりと後退しながら、クマの目を見ないようにしてその場を離れるのが基本です。

特に母グマと子グマの間に入ってしまうと、母グマが子供を守ろうとして非常に攻撃的になります。母親としての本能が働いているわけですから、もしもそういう場面に遭遇したら、すぐにその場を離れることが大切です。

また、山に入るときは鈴やホイッスルを持って行き、音を出してクマにこちらの存在を知らせることが効果的です。さらに、最近ではクマ撃退スプレーが非常に有効だということがわかっています。ちょっと高価ですが、命を守るための備えとして検討する価値はあるかもしれません。

クマとの共存を考える

クマが私たちの周りに現れるのは、単なる偶然ではなく、環境の変化が大きな要因となっています。私たち人間が自然環境に対してどのように関わっていくのか、それがクマとの距離をどう保つかに直結しているんです。たとえば、ゴミを外に放置しない、餌付けをしないといった基本的なことから、地域全体で草刈りを行うなどの対策を進めることも、クマとのトラブルを避ける手助けになるでしょう。

適切な捕獲や駆除も必要です。クマが人間を恐れなくなってしまうと、さらに問題が拡大します。だからこそ、クマと私たちが互いに適切な距離を保つための工夫が欠かせません。

自然とどう向き合うか

クマとの共存には、私たちが自然とのつながりを再認識し、それに基づいた行動が必要です。過疎化が進む地域では、野生動物が人間の暮らしに近づきやすくなっていますが、それをどう管理していくかは、私たちが責任を持って考えなければならない問題です。

日常の小さな心掛けでも、少しずつ積み重ねていくことで、私たちは自然と調和し、クマと安全な距離を保ちながら共存できる未来を作ることができるはずです。

 

用語

・ヒグマ

アジア大陸を起源とする、北半球に広く分布する大型哺乳類。

2つの系統に分かれ、一つは氷河期にベーリング海峡を渡って北アメリカに移動し、もう一つはヨーロッパに定住。

近代の開発により西ヨーロッパではほとんど絶滅しました。

・ツキノワグマ

ヒグマと同じくアジア大陸を起源とし、日本や韓国、台湾に分布している。

日本のツキノワグマは30万~50万年前に大陸から渡来し、独自の亜種として進化した。

日本のツキノワグマは遺伝子調査により、東日本、西日本、紀伊半島・四国の3つのグループに分けられる。

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