日本のシカが自然環境に与える影響

スポンサーリンク
自然環境
この記事は約4分で読めます。

シカの増加、自然にとっての危機?

最近、シカが日本各地で増えすぎて問題になっているのを聞いたことがありますか? 自然の中でシカを見かけると、「かわいい」「自然の一部」って思うかもしれません。でも、その裏で深刻な影響が出ているんです。

スポンサーリンク

シカが森を変えてしまう?

シカが増えすぎると、森や山の木や草が食べ尽くされてしまいます。シカは樹皮まで食べるので、木が枯れてしまったり、若い木が育たなくなったりします。そのせいで、森の景色もどんどん変わってきて、他の動物たちの住処がなくなってしまうことも。実際に尾瀬や南アルプスでも、この問題が深刻化しているんです。

シカが木や草を食べることは、自然のバランスが崩れる原因の一つです。生態系が壊れてしまうと、そこに住む生物たちにも影響が出てしまいます。なので、シカの増加は見過ごせない大問題なんですね。

シカが増えた理由って?

「どうしてシカが増えたんだろう?」って思いますよね。理由はいくつかあります。まず、昔はシカの狩猟が盛んでしたが、今では狩猟をする人が減ってしまいました。それに、ハンターの高齢化も進んでいます。そして、気候変動の影響で雪が少なくなり、シカがより多くの地域で生き残りやすくなっているんです。

もう一つの原因は、農地が放棄されていること。田畑が使われなくなると、そこがシカの絶好のエサ場になってしまいます。そうしてシカの数がどんどん増えてしまったんですね。

その他にも、天敵である狼がいなくなったことも大きな原因です。日本では昔、狼が生息していましたが、ハンターによる駆除や病気、環境の変化により絶滅してしまいました。食物連鎖の頂点がいなくなってしまったことで、自然のバランスが調整できなくなっているんです。

農家も困っている

シカが増えると、農業にも大きな影響が出ます。せっかく育てた野菜や果物が食べられたり、植えた木がシカに食い荒らされたりします。林業でも、シカが木の幹をツノでこすって樹皮を剥がすので、木が枯れてしまうことがあるんです。これでは、農家さんや林業関係者にとっても大きな痛手になります。

さらに、森の中の草木が減ってしまうと、雨が降ったときに土が流れ出してしまう危険もあります。森の持つ防災機能が弱くなってしまうのは、私たちにとっても怖い話です。

シカ対策、どうすればいい?

では、どうやってシカの増加に対応すればいいのでしょうか。まずは、農地や森にシカが入らないように柵を設置することが一つの方法です。それから、ハンターによる適切な捕獲も必要ですが、ハンター自体が少なくなっているため、若い世代のハンターを育成することも大事です。

環境省も、シカ問題に対する理解を広めるために活動しています。多くの人がこの問題を理解し、協力することで、少しでも被害を減らすことができるかもしれません。

私たちにできること

シカによる被害は、個人ではどうにもならないように感じるかもしれませんが、私たちにもできることがあります。例えば、シカが嫌がる匂いのする忌避剤を使うことや、柵を作ることも一つの対策です。小さな行動でも、それが積み重なれば大きな力になります。

私たちが自然の一部として見ていたシカが、実は日本の森や自然に大きな影響を与えているという事実。これからも美しい自然を守るためには、シカとの共存を真剣に考え、行動していく必要があります。

 

用語

・キュウシュウジカ
日本の四国と九州に分布。
体長80~130㎝、体重50~90㎏。
夏は茶色に白い斑点があり、冬は濃い灰色になる。
低地から山地の森林や草原に生息し、草や木の芽、果物を食べる草食性。
ニホンジカの一種で、国内には7つの亜種が存在する。キュウシュウジカは中くらいの大きさで、オスは春に角を落とし、秋に再生する。繁殖期にはオス同士が争うが、繁殖期が終わると争いは減る。

・ホンシュウジカ

日本の本州にいるニホンジカはホンシュウジカと呼ばれる。
体長120~160㎝。体重50~80㎏。
四国や九州のものはキュウシュウジカ、北海道のものはエゾシカと呼ばれるが、一般的にはすべてニホンジカとされる。
ニホンジカは草食性で、約1000種類の植物を食べ、特に木の葉や芽、草を好む。
メスと子どもは群れで行動し、オスは繁殖期以外は単独で行動する。
繁殖期にはオス同士が戦い、強いオスがメスの群れと共に行動する。
奈良県のホンシュウジカは天然記念物として保護されているが、全国的には農作物に被害を与える害獣とされ、特に被害が多い。

・エゾシカ
北海道に生息するニホンジカの亜種。
体長140~190㎝。オスは90~140㎏、メスは70~100㎏、最大で200㎏になることもある。
主に日高、十勝、釧路・根室、オホーツク地方の雪が少ない地域に分布し、1990年代以降は西部にも増加している。
ニホンジカの亜種の中で特に大きい。
毛は夏は茶色、冬は灰褐色で、臀部は常に白色。
歯は34本あり、雄の角は他の亜種より大きく、毎年4月から5月に落ち、9月には硬く成長する。

・キョン
体長47~70㎝、体重12~17㎏。
元々は中国南部や台湾に生息していたが、1960年代から80年代にかけて日本の千葉県にも定着した。環境省はキョンを特定外来生物に指定し、野外個体の減少対策が必要だとしている。
キョンは定着後、生息範囲と数が増加している。
早期に妊娠し、主に森林周辺で木の葉やドングリを食べ、最近では住宅地にも現れています。
農作物への被害は少ないものの増加傾向にあり、特に野菜や果樹に影響が出ている。

コメント

タイトルとURLをコピーしました